死にたいと思う気持ち
死にたいほど辛い
「死んでしまいたい」と言ったら周りの人は、どんな反応をするでしょうか。
どう答えてよいか分からず戸惑ったり「本当に死にたいの?」「そんなことを言ったら周りの人が悲しむよ」「死にたいと言う人ほど死なないわ」など無意識に心無い言葉が返ってくることがあります。
これは、本人の気持ちを考えずに一般論を言っているだけです。悪気はないのですが、「死にたいと」と口にする人への対応がわからないのです。死を考えたくない、目をそらしたいと思い逃げてしまう人もいると思います。
「死にたいと」と言う人は、本当に死にたい訳ではなく死にたいほど辛い苦しい気持ちをわかってほしいのです。何度も周りの人に訴えるのは、死にたいほど辛い苦しい気持ちを理解してほしと思っているからです。
周りの人は自分のことを心配してくれない、自分は生きる価値がないと思い込むようになることがあります。そのような時、辛さや苦しい気持ちに共感して話を聴いてくれる人が傍にいてくれればと思います。
寂しい
若い人と年配の人では、死にたいと思う気持ちの内容が少し違うように思います。今回は年配の方のお話をしたいと思います。
介護関係の仕事をしていて感じることがあります。孤独と寂しさを抱えている方がいらっしゃるという事です。コロナ渦で、家族や友人親しい人たちと会えない寂しさです。
今まで自由に会えてなのに難しくなってきました。施設に入ると尚更行動の制限があります。今まで一人暮らしをしていたのに、一人で暮らしていくことが難しくなり施設に入られる方もいらっしゃいます。人によっては、施設に入った状況が受け入れられずうつ症状になる場合もあります。
今まで出来た事が出来なくなっていく焦りと寂しさ。何も出来なくなった自分は、生きていく価値がないのではないかという気持ちが湧いてきてしまう。そのような気持ちが続くと「死んでしまいたい」と思ってしまいます。
家族や周りの人のために一生懸命に努力して生きてきた人には、何も出来なくなっていく自分を受け入れる事が耐えられないことなのかもしれません。
気持ちに向き合う
「死にたい」「寂しい」と思うことに向き合うことは、とても心のエネルギーが必要だと思います。
「死にたい」「寂しい」の裏側には、自分の気持ちをわかってほしいと願っています。近くにそういう人がいらっしゃるなら話を聴いてください。
ただ話を聴くだけで大丈夫です。アドバイスなどは必要ありませんし、相手も望んでいません。
但し、自分の心が安定している時にしてください。自分の心が不安定な場合、相手の気持ちに飲み込まれてしまう事がありますので、注意してください。